ホルター心電図

ホルター心電図


 
時々胸が苦しい等の症状で来院された場合、
症状がない短時間の心電図検査では異常が発見されない場合があります。

そんな時、『ホルター心電図』という機械で24時間の脈を測定する
より詳しい検査が有効です。

実際、今まで発見されなかった病気が見つかったり、
不安に思っていた症状が特に問題がないと分かり安心して帰られるケースがあります。

●ホルター心電図で分かる病名

不整脈や狭心症など

 

 

狭心症


 
狭心症は心臓の酸素不足により起こります。

冠動脈は心臓に酸素と栄養を供給している血管で、
左に2本(左前下行枝と左回旋枝)、右に1本(右冠動脈)大きなものがあります。

冠動脈の動脈硬化が進み、血管が次第に狭くなると血液が十分送られず、
需要と供給のバランスが崩れて心臓が酸素不足の状態に陥ります。

これを虚血性心疾患と呼び、
狭心症と心筋梗塞がその代表的なものです。

また、冠動脈の一時的なけいれん(痙攣)でも心臓は酸素不足となり、
発作が起こります。


狭心症は酸素不足の状態が一時的で回復するのに対して、
心筋梗塞は血栓などで冠動脈が完全に閉塞し、その先の血流が途絶え、
心筋が壊死を起こすもので、心臓に大きな障害が残ります。

狭心症の発症には、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による器質的狭窄と攣縮(痙攣)が、
様々の程度で関与していますが、主として器質的狭窄によるものが労作狭心症、
攣縮によるものが安静あるいは異型狭心症として発症します。

日本人の狭心症では攣縮の関与が欧米に比し多いとされています。

 

 

不整脈


 
○脈が乱れる


心臓は全身へ血液を送り出すために一定のリズムで動いています。

1回の収縮と拡張が一つの脈として捕らえられているわけです。

この心臓のリズムは、心臓筋内を規則正しく通り抜ける電気刺激によるものです。
この信号の通り道を刺激伝導路と呼んでいますが、
この伝導路に何かの異常が起きて乱れることがあります。

つまり、極端に速くなったり、遅くなったりすることがあるのです。
これらを総称して不整脈といいます。

初めて不整脈に気づかされるのは、
動悸がしたり、脈が異常に遅かったり、
逆に速すぎたり、または飛んだりしている時が多くなってくるなどの症状がでてきた時です。

また、自分ではまったく気がつかず心電図をとって初めて解る場合もあります。

放置しておいて全く問題のないものから放置すると生命に関わるものまで幅が広いため、
無用の心配をしないためにも発見した段階で一度はしっかりと調べるべきでしょう。