狭心症
狭心症は心臓の酸素不足により起こります。
冠動脈は心臓に酸素と栄養を供給している血管で、
左に2本(左前下行枝と左回旋枝)、右に1本(右冠動脈)大きなものがあります。
冠動脈の動脈硬化が進み、血管が次第に狭くなると血液が十分送られず、
需要と供給のバランスが崩れて心臓が酸素不足の状態に陥ります。
これを虚血性心疾患と呼び、
狭心症と心筋梗塞がその代表的なものです。
また、冠動脈の一時的なけいれん(痙攣)でも心臓は酸素不足となり、
発作が起こります。
狭心症は酸素不足の状態が一時的で回復するのに対して、
心筋梗塞は血栓などで冠動脈が完全に閉塞し、その先の血流が途絶え、
心筋が壊死を起こすもので、心臓に大きな障害が残ります。
狭心症の発症には、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による器質的狭窄と攣縮(痙攣)が、
様々の程度で関与していますが、主として器質的狭窄によるものが労作狭心症、
攣縮によるものが安静あるいは異型狭心症として発症します。
日本人の狭心症では攣縮の関与が欧米に比し多いとされています。